弁当の売り方


弁当屋のおばちゃんの心理
今日弁当をまけてもらった。
ビジネス街ではよくみる
パラソルを立てて売っている弁当屋だ。



まぁいろんな力が働いて、
おばちゃんが昼になると
忽然と現れ、売買に勤しむ。



大部分の人がお時給で働いているヒトだ。
売り上げもきっちり計算されている。
つまり、まけるということは
おばちゃんがポケットマネーをはたいて
私に弁当を提供してくれたと考えることができる。



これは非常に気分がいい。
まけてもらったのはわずかに50円
率にしておよそ15%の割引だ。
しかしこの50円を稼ぐために
おばちゃんはいったい何分働かなければならないか。



おばちゃんの時給が、例えば800円だとして、
50円を稼ぐためには、およそ4分間労働しなければならない。
私の存在が、私の笑顔が
おばちゃんに4分間のコストかけてもいいと思わせたのか。
たしかにおばちゃんは嬉しそうだった。

「まるで孫とはなしてるみたいやわぁ」

そう言われた



そう言われたといってもいいくらいの
いい笑顔だった。

私はおばちゃんの笑顔までも
無料で手に入れた!

このわずかな至福の時間が
私の判断を鈍らせた。

なんとおかずの種類を聞くのを
忘れていたのだ。

ピーマンの肉詰めばっか。


おばちゃんの作戦勝ちだった。